Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
おッ魂消た司法主任が、夢中で廊下へ飛び出ると、二つの争う人影が、三号室の前で四ツに組んで転っている。駈けつけて、戸惑って、だが直ぐ頭の白い繃帯を目標に、二十貫の主任の巨躯が、そっちへガウンとぶつかっていった。
「怪我人」は直ぐに捕えられた。手錠を嵌られると、不貞腐れてその場へベタンと坐り込み、まるで夢でも見たように、妙に浮かぬ顔をして眼をパチパチやり出した。
松永博士は、腰を揉みながら立上ると、片手でズボンの塵を払い払い、
「私は、格闘したのは、これが始めてです」
司法主任は、とうとう堪りかねて、
「いったい、こ、これァ、どうしたと云うんです?」
すると博士は「怪我人」の方を見ながら、
「ふン。トボケてるね。……ほんとにトボケてるのか、わざとトボケてるのか、これから実験して見ましょう」
そう云って「怪我人」の前へ屈み込むと、眼だけ覗いている繃帯頭の顔を、ジーッと睨みつけた。
「怪我人」が再びもがき始めた。
「主任さん。しっかり捕まえていて下さい」
そう云って博士が、「怪我人」の頭へサッと両手を差伸べると、相手は俄然、死物狂いで暴れだした。主任は、ムキになって押えつける。