Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
――私が何故鉄道を退職たか、そして何故毎年三月十八日にH市へ出掛けるか、と言いますと、実はこれには、少しばかり風変りな事情があるんですよ。でも、その事情と言うのが、見様に依っては、大変因縁咄めいておりましてな、貴下方の様に新しい学問を修められた方には、少々ムキが悪いかも知れませんが、でもまあ、車中の徒然に――とでもお思いになって、聞いて頂きましょう。
――話、と言うのは数年前に遡りますが、私の勤めていたH駅のあの扇形をした機関庫に……あれは普通にラウンド・ハウスと言われていますが……其処に、大勢の掛員達から「葬式機関車」と呼ばれている、黒々と燻けた、古い、大きな姿体の機関車があります。形式、番号は、D50・444号で、碾臼の様に頑固で逞しい四対の聯結主働輪の上に、まるで妊婦のオナカみたいな太った鑵を乗けその又上に茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯蔵鑵を頂いた、堂々たる貨物列車用の炭水車付機関車なんです。
ところが、妙な事にこの機関車は、H駅の機関庫に所属している沢山の機関車の中でも、ま、偶然と言うんでしょうが、一番轢殺事故をよく起す粗忽屋でして、大正十二年に川崎で製作され、直に東海道線の貨物列車用として運転に就いて以来、当時までに、どうです実に二十数件と言う轢殺事故を惹起して、いまではもう押しも押さ