Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
あやつり裁判
いったい裁判所なんてとこは、いってみりゃア世の中の裏ッ側みたいなとこでしてね……いろんな罪人ばっかり、落ちあつまる……そんなとこで、二十年も廷丁なんぞ勤めていりゃア、さだめし面白い話ばかり、見聞きしてるだろうとお思いでしょうが、ところが、二十年も勤めてると云うのが、こいつが却ってよくないんでしてね、そりゃアむろん面白い事件がなかったわけじゃア決してないんですが……なンて云いますかな? メンエキとでも云いますか……そうそう、不感症にかかっちまうんですよ。……だからいまでは、もう死刑の宣告を受けたトタンに弁護士の鞄やら椅子やら、なんでもかんでも手あたり次第に裁判長めがけてぶッつけるような血の気の多い囚人でも、それから……こいつは最初のうち少なからず困ったんですが……ちっとも暴れずに、ただこう、ローソクみたいにもたれかかって来るような囚人でも、いまではなンの感興も覚えずに、まるで材木でも運ぶような塩梅に、市ヶ谷行きの囚人自動車に積み込む――とまア、そんな工合になっちまってるんです……こうなるとなんですな、むしろ盗ったの殺したのとやにヤボ臭い刑事事件なんぞよりも、いっそ民事の、なにか離婚談かなんかのほうが、こうしんみりして、面白い位いですよ……