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Japanische Klassiker mit Furigana

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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

と東屋氏は笑いながら、「そうそう、序に発信者を――貨物船えとろふ丸――とでもしといて下さい」

「えとろふ丸、はよかったですね」

船長が苦笑した。

「いや、こんな場合、うそも方便ですか。釧路丸の船長は、代りの砲手を雇ったんですから、鯨と聞いたら、じッとしてはいませんよ」

間もなく船は、スピードをグッと落して、遠くに上る潮の林を目標にして、見え隠れ鯨群のあとをつけるのだった。船足は、のろのろと鈍くなったが、船の中の緊張は、一層鋭く漲り渡って来た。

東屋氏は、双眼鏡を持って、グルグルと水平線を見廻していたが、やがてひと息つくと、水上署長へ、

「昨晩お訊ねしたあの釧路丸の最高速度ですね。あれは、確かに十二節ですね?」

「間違いありません」

署長が、気どって云った。

東屋氏は頷きながら、今度は船長へ、

「欝陵島から根室まで、最短距離をとって、八百浬もありますか?」

「そうですね。もっとあるでしょう。八百……五、六十浬も、ありますかな? しかしそれは、文字通りの最短距離で、実際上の航路としては、それより長くはなっても、短いことはありませんよ」

「ああ、そうですか」

東屋氏は、再び双眼鏡を覗き込む。