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Japanische Klassiker mit Furigana

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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

こうした気象の急変は、しかし、この地方では別に珍しくも思われなかった。いつでも冬が深くなると、寒三十日を中心にして気象がヘンにいじけて来るのだった。いつもいつも日中はどんよりと曇りつづけ、それが夜になると皮肉にもカラリと晴れて、月や星が、冴えた紺色の夜空に冷く輝きはじめる。土地の人びとは、そのことを「寒の夜晴れ」と呼んでいた。

八時に遅がけの夕飯を済ました私は、もう女学校も休暇に入ったので、何処か南の方へ旅行に出掛ける仕度をしていた時だった。

三四郎が級主任をしている補習科A組の美木という生徒が、不意に転げ込んで来て、三四郎の留守宅に持上った兇事の報せを齎らして来た。私は寒空に冷水を浴びた思いで、それでもすぐにスキーをつけると、あわてふためいて美木と一緒に走りはじめた。

私達が家を出ると、直ぐに市内の教会から、クリスマス前夜の鐘が鳴りはじめたので、もうその時は九時になっていたに違いない。

美木という生徒は、大柄な水々しい少女で、どこの女学校にもきまって二、三人はいる早熟組の一人だった。化粧することを心得、スカートの長さがいつも変って、ノートの隅に小さな字で詩人の名ばかり書き並べていようという。