Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
ところが嫌疑を掛けた坑夫の遺族の中には犯人はいない。そしてその代り塗込められて死んだ筈の坑夫の安全燈が、発火坑以外の或る箇所で発見され、発火坑を調べてみるとその坑夫の屍体はおろか骨さえない――とこれだけの事実の組合せから、あなたはその塗込められた坑夫自身が何等かの方法で生き返って坑外へ抜け出し、自分を塗込めた男達へ復讐しはじめた、と云う至極もっともらしい疑惑を抱いたわけでしょう。しかしそのもっともらしさは論理ではなくて、事実への単なる解釈であるに過ぎませんよ。その解釈が如何にもっともらしい暗示に富んでいても、そのために、絶対に抜け出ることの出来ない坑内から抜け出した、と云う飛んでもない矛盾をそのまま受け入れてしまうことは出来ません」
「それで君は、どう考えたんだ」
係長が苦り切って云った。技師は続けた。
「手ッ取り早く云いましょう。私はあの発火坑で、坑夫の骨さえ見当らなかった時に、その時から新しく考えはじめたんです。――まず坑内には骨さえないのですから、峯吉はどこからか外へ出たに違いない。ところが、いちいち探すまでもなく、防火扉を締めたら間もなく鎮火したと云うのですから、これは消甕みたいなもので、防火扉のところよりほかにあの坑内には絶対抜け穴はない。