Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
それでは峯吉は防火扉のところから出たに違いない。ところが、防火扉の閂は外側にあるし、隙間に塗込めた粘土は塗られたままに乾燥していて開けられた跡はなかった。つまり防火扉は締められてから私達がさっき開けた時までには絶対に開放されていないことになります。すると峯吉は、どうです、そもそも防火扉の締められる前に抜け出ていた、ということになるではありませんか……ところで、ここまで進んだ新らしい目で、ほかの事実を調べてみます。――この可哀相な女は、あの時、男の跫音を後ろに聞きながら発火坑を飛び出したのでしたね。そして飛び出してホッとなって後ろを振返った時には、もう爆音を聞いて駈けつけた浅川監督が、防火扉を締めかけていた。そして締めてしまった。続いて技師が来、工手が駈けつけて、塗込めがはじまる……ここが肝心なところですよ。いいですか、峯吉は防火扉の締められる前に出ていなければならないのですから、その時女のあとから飛び出して来て、そして浅川監督が防火扉を締めるまえに飛び出したことになるのです。つまり飛び出してホッとして振返った女と、防火扉を締めかけた浅川監督との間のなにもなかった空間に、峯吉がいたわけです……」