Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
「恰度鳥の飛んでいるのを横から見たような恰好だね。なんと云う貝だろう?」
「マベ貝だよ。穢い貝さ」
東屋氏が云った。すると下男が、
「この附近には、そんなものはいくらもあります」
けれども東屋氏は暫く黙ってマベ貝を弄っていたが、やがて面白くもなさそうに再び貝を船艙に戻しながら、
「……どうも確かに、深谷氏と云うのは、変り者だね。よくよく海と縁が深いらしい……」
云いながら彼は、片手を船縁に掛けるようにしてヨットから飛び降りた。そして今度は白く塗られた船体の外側に寄添って、船底の真ん中に縦に突き出した重心板の鉛の肌を軽く平手で叩いて見ながら、
「いいヨットだなあ。バランスもよさそうだ」
と急に重心板の下端部を、注意深く覗き込みながら、
「こりゃ君、粘土が喰っ附いてるじゃあないかね?」
私と下男は、云い合したように東屋氏の側へ寄って覗き込んだ。
成る程重心板の下端部の、鉛と木材の接ぎ目の附近に、薄く引っこすったように柔かな粘土が着いている。
「この白鮫号は、今朝水から上げたなり、まだ一度も降ろさないですね?」
「ええそうです」
下男が答えた。
「するとこの粘土質の泥は新しいものだし、この附近は岩ばかりだし……」