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Japanische Klassiker mit Furigana

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とんだやのきゃく

とんだ屋の客

田中 貢太郎

Lesen Sie とんだ屋の客 (とんだやのきゃく) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.531 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

すると其の室の係で其処で煮物をしていた仲居、婢が、「おほっ」と云うような、何か恐ろしいものでもぶっつかったように叫ぶなり、手にしていた肴の丼を執りおとした。彼の老妓にも婢のそうした意味が判っていると見えて、婢と何か云いあった後に、やっぱりそんなことがあるものですかねと云ったようなことを云った。そこで喜多村さんが、

「なにか、そんなことがあったのか」

と云って聞くと、老妓が頷いて話しだした。それはなんでも四五年前のことであったらしい。やはりとんだ屋へ来る客の中に、某と云う若旦那があった。若旦那は其のとき馴染の校書が出来て、せっせと通うようになっていたが、其の座敷へは、いつも其の老妓が呼ばれるうえに、其の婢が其の座敷のかかりであった。

某時若旦那の一行は、心斎橋の幡半へ飯を喫いに往った。一行は若旦那、若旦那のお馴染の壮い校書、それから其の老妓と婢との四人伴であった。

やがて幡半の座敷へあがった。ところで幡半の婢が蒲団を持って来たが、それは五人前であった。皆いそがしいのでまちがえたものだろうとおもっていると、今度は五人前の茶を持って来た。皆がへんな顔をして何か云おうとすると、若旦那が押えて、「まあ、まあ、うっちゃっとけ」