Japanische Klassiker mit Furigana
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なよたけ
なよたけ
加藤 道夫
Lesen Sie なよたけ von 加藤 道夫 (かとうみちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.415 Zeichen · 163 Bildschirme
耳を澄ます。
――やはり、どこからともなく、同じ曲が響いて、………消える。文麻呂、もう一度今度は思い切り強く吹いてみる。――やはり、どこからともなく同じ音が反響する………
文麻呂 (不気味な気持に襲われて、すっくと立上り)誰だ!………
声 誰だ!………
清原ノ秀臣、同じように横笛を片手に、丘の向側からつと文麻呂の背後に現れた。
清原 石ノ上ノ文麻呂ではないか?
文麻呂 (びくんとして振向き)なんだ、清原。………君だったのか?
清原 大学寮学生、清原ノ秀臣。………僕だ。
文麻呂 一ヶ月前だったらこの僕も同じ「名乗り」を堂々と名乗り返せたのになあ。……残念ながら、今では、別曹、修学院学生、石ノ上ノ文麻呂……か。
清原 おい、石ノ上。そのことだけはいつまでもそうくよくよ気に掛けるのは止めてもらおうじゃないか。学校がどうのこうのと云ったって、正しい文の道はただ一つさ。小野ノ連にしろ、この僕にしろ、君とは一生を誓い合った同志じゃないか。その繰言だけはもういい加減に止めたまえ。………ところで石ノ上。お父様は? もう発たれたの?
文麻呂 ああ、いまさっき。………ここで別れたところなんだ。