Japanische Klassiker mit Furigana
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ひどいけむり
ひどい煙
久生 十蘭
Lesen Sie ひどい煙 (ひどいけむり) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.064 Zeichen · 18 Bildschirme
四
むずかしいことはあるまい」
といった。半十郎と喜三郎は思いこんだ顔つきになって、
「仰せのとおりにいたします」
と、こたえた。
四
カロンの臼砲の領収発射は、六月二十一日、勝手ヶ原の射場で行われた。御鉄砲方、大筒役、火薬奉行の組下、与力、同心、属役は、日の出前に射場に集合した。
松浦侯の三ツ星の家紋のついた幕舎の床几に、老中阿部対馬、牧野内匠頭、堀内加賀、目付兼松五郎左衛門、松浦侯などがいた。
カロンの大臼砲は、御鉄砲御用衆の予期どおりに、かなりいい加減なものであった。第一弾は、一町ほどしか飛ばず、小田山の中に落ちこんで、十七尺ほどの深い穴をあけ、水田の泥や苗を空中高く噴きあげた。第二弾は砲腔と薬室の間で爆発したので、砲口から帯のような火炎が迸り出て、土壇のまわりの幕を焼いたうえ、ウールフは顔と手に大火傷を負った。第三弾は小臼砲から射ちだされたが、充弾が空中で炸裂し、稲妻のような青白い彩光が射場の上に閃きわたった。
カロンの一行は、心光院で昼食をし、午後からまた試射を続行したが、どの弾丸も標的の小屋まで届かない。カロンはあきらめたのだとみえ、生き残った不機嫌な大臼砲を日本人の手にひき渡した。