Japanische Klassiker mit Furigana
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ほととぎす
ほととぎす
堀 辰雄
Lesen Sie ほととぎす von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.252 Zeichen · 60 Bildschirme
あなた様も早くお帰りになっては」と私は半ばいたわるように、半ばたしなめるように言った。
頭の君の方では、そういう私の言葉をも反って身に沁むようにしていて、只「そういうお心細いような折こそ、どうぞこれからは私を頼りになすって戴きたいものです。そんなものなんぞ、私は少しもこわがりはいたしませんから――」と応えるばかりで、いつまで立ってもお帰りなさろうとはしないように見えた。だんだん夜も更けて来るようだし、皆の手前もあるので私は一人で困ってしまっていたが、それぎり物も言わずにいると、とうとう頭の君はお帰りなさるらしい気配を見せて、「助の君の御祓ももう間近かでお忙しいようですから、何か御用がおありになれば代りに私にお言いつけなすって下さい。これからは度々お伺いいたす積りです」と言い残しながら、漸っとお立ち上がりになった。
私は何気なしにその後姿を見ようと思って、ふと几帳の垂れをかき分けながらかいま見をすると、いま、頭の君のいらしった縁の灯はもうさっきから消えていたらしかった。私の座の近くにはまだ灯がともっていたものだから、それには少しも気がつかずにいたのである。