Japanische Klassiker mit Furigana
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みさごのすし
みさごの鮨
泉 鏡花
Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme
刈残した粟の穂の黄色なのと段々になって、立蔽う青い霧に浮いていた。
と見向いた時、畦の嫁菜を褄にして、その掛稲の此方に、目も遥な野原刈田を背にして間が離れて確とは見えぬが、薄藍の浅葱の襟して、髪の艶かな、色の白い女が居て、いま見合せた顔を、急に背けるや否や、たたきつけるように片袖を口に当てたが、声は高々と、澄切った空を、野に響いた。
「おほほほほほ、おほほほ、おほほほほほ。」
おや、顔に何かついている?……すべりを扱いて、思わず撫でると、これがまた化かされものが狐に対する眉毛に唾と見えたろう。
金切声で、「ほほほほほほ。」
十歩ばかり先に立って、一人男の連が居た。縞がらは分らないが、くすんだ装で、青磁色の中折帽を前のめりにした小造な、痩せた、形の粘々とした男であった。これが、その晴やかな大笑の笑声に驚いたように立留って、廂睨みに、女を見ている。
何を笑う、教授はまた……これはこの陽気に外套を着たのが可笑いのであろうと思った……言うまでもない。――途中でな、誰を見ても、若いものにも、老人にも、外套を着たものは一人もなかった。湯の廓は皆柳の中を広袖で出歩行く。