Japanische Klassiker mit Furigana
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みつばちのきたひ
みつばちのきた日
小川 未明
Lesen Sie みつばちのきた日 (みつばちのきたひ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.774 Zeichen · 8 Bildschirme
「おまえさんのような田舎者には、ここは、ちとぜいたくすぎるようなところなんだよ。ここは、人間が金をかけて造っている温室なのさ。わたしはここへきてから二年めになるから、よくこの室の中のことは、なんでも知っている。おまえさんだって、山にいてごらんなさい。どんなに寒いことか。そして、まだなかなか花を咲くどころでない。こうしてかわいがられたのも、早くおまえさんに花を咲かして、お客に売るつもりなんだから、これから、おまえさんも、いままでのように、いいことはあるまいよ。」と、らんはいいました。
雪割草は、なるほどそういうらんのようすを見上げて、美しい姿だと、つくづく感心しました。
「それで、あなたは、どうしてここにきて、二年もおいでなさるのですか?」と、雪割草は、らんに向かって聞きました。
らんは、さもゆったりとした姿で、おうへいに雪割草を見下ろしながら、
「世界の植物を愛する人たちで、おそらく、わたしを知っていないものはあるまいね。わたしは、南の温かな島の林の中で育ちました。それは、いま思い出しても陽気な、おもしろいことばかりが目に浮かんでくるのです。それを一つ一つおまえさんに話してあげたいと思いますが、わたしは、なんだか、この二、三日、体のぐあいがよくないから、いつか気分のいいときにいたしましょう。