Japanische Klassiker mit Furigana
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たにしのしゅっせ
むかし むかし あるところに
楠山 正雄
Lesen Sie むかし むかし あるところに (たにしのしゅっせ) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.919 Zeichen · 29 Bildschirme
「まあ、そうかい。わざわざ礼なんぞいいにくるにはおよばないのに」
「でも、ほんとうにありがとうございました。ときに、浦島さん、あなたはりゅう宮をごらんになったことがありますか」
「いや、話にはきいているが、まだ見たことはないよ」
「ではほんのお礼のしるしに、わたくしがりゅう宮を見せて上げたいとおもいますがいかがでしょう」
「へえ、それはおもしろいね。ぜひ行ってみたいが、それはなんでも海の底にあるということではないか。どうして行くつもりだね。わたしにはとてもそこまでおよいでは行けないよ」
「なに、わけはございません。わたくしの背中におのりください」
かめはこういって、背中を出しました。浦島は半分きみわるくおもいながら、いわれるままに、かめの背中にのりました。
かめはすぐに白い波を切って、ずんずんおよいで行きました。ざあざあいう波の音がだんだん遠くなって、青い青い水の底へ、ただもう夢のようにはこばれて行きますと、ふと、そこらがかっとあかるくなって、白玉のようにきれいな砂の道がつづいて、むこうにりっぱな門が見えました。その奥にきらきら光って、目のくらむような金銀のいらかが、たかくそびえていました。