Japanische Klassiker mit Furigana
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
Lesen Sie めおと蝶 (めおとちょう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.977 Zeichen · 47 Bildschirme
……知也が信乃のふところへ逃げこんだということが、まずたいへん気にいったらしい、それをさらに自分がひと役買って、此処を脱出させようという。文代にはこれが刺戟の強い物語を読むような、胸のどきどきする興味を唆られたようであった。
「やっぱり知也さまは頭が良いのね、石仏さんのところへもぐるなんて、よほど智恵がまわって勇気がなければできることではないわ、お姉さまもよくなすったわ、よくその勇気がおありになったわね、おりっぱよ、わたくしこれで胸がせいせいしました」
「もっとまじめになって頂戴、ひとつまちがえば知也さまもわたくしも生きてはいられないのよ」
「お姉さま、……ねえ」
文代は膝ですり寄り、信乃の手を握って、思いつめたような眼で、じっとこちらをみつめた。
「知也さまと御相談なすって、お姉さまもごいっしょにお逃げなさいませんこと」
「まあ、なにを云うのあなたは」
「それが本当だと思うんです、わたくし知っていましたわ」文代の眼にきらきらと涙があふれてきた、「――お姉さまが知也さまをお好きだということ、知也さまもお姉さまを好いていらしったこと、いいえお隠しにならないで、わたくしちゃんと知っていましたの、お二人はいっしょにならなければいけませんわ、そうすればお二人ともしあわせになれるんです。