Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいかしや
ゆうれい貸屋
山本 周五郎
Lesen Sie ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.320 Zeichen · 42 Bildschirme
怒っている家主の眼に、そのときふっと涙が溢れ出て来た。それを手の甲で拭き、よろめくような声で、平作老はなおこう続けた。
「てめえは底抜けのおたんちんだから、そんなごたくをぬかしてるが、二年このかた米味噌から小遣銭、不自由がちでもともかく生きて来た、いってえそれを誰のおかげだと思ってるんだ」
「それあまあ、それを云われるとなんだが、そこはおれだって大家さんの恩は」
「ざまあみやがれ、てめえの眼はそのくれえのもんだ、ここへ運んで来たなあおれに違えねえ、だが本当の主はお兼さんだぞ、縫い解き洗濯、仕事を選ばず夜も日も稼いで、てめえがまじめになるまではと、……稼ぐだけみんな、てめえに貢いで来たんだ、大家さん、どうかあたしからだとは云わないで下さい、これがわかって、またのんきな気持になられでもしたら、あたしの帰る日が延びるばかりです、お願いですから内証にして下さい、……おらあ涙がこぼれた、ばあさんなんぞ水っ洟あたらして泣いたぞ、……夫婦は二世といってたって、縁が切れれば他人だ、てめえなんぞはのたれ死にをしたっていい人間だ、それをお兼さんはこんなに、こんなにまで蔭で実をつくしてる、……夫婦の情だ、てめえを亭主と思えばこそだ、それをてめえはなんだ、なんてえごたくをつくんだ」