Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいかしや
ゆうれい貸屋
山本 周五郎
Lesen Sie ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.320 Zeichen · 42 Bildschirme
とやっても眼をさまさない、絶対に反響がないのである。
「そのまた鼾がです」担当幽霊はゼエゼエ声で云った、「とほうもない番外の大鼾で、こっちの耳がもうがんがんしてきて、だからこっちも大きな声をだすというわけで、もう凄みとかなんとか、そんななまやさしいばあいじゃありません、ひと晩じゅう声の出しっくらで、気がついたら夜が明けちまって、あたしはこんな声になっていました。こんな声に、ゼエゼエゼエ、……もう懲り懲りです、あたしはお暇を貰います」
これもそれっきり消えてしまった。
そのほかにも二三の故障はあったが、商売はますます繁昌、人手が足りないからお染姐さんも派出に出る。こうしてちょうど開業十七日めのことだったが、珍しく爺さんや婆さんもでかけ、前紙屑買いも、例の浮気娘もお染もでかけ、弥六が一人で留守番をしていた。
「生きてるうちのことか、なるほど」
彼は久方ぶりに独り寝ころんで、欠伸をしながらそんなことを呟いた。……天道も仏もない、あの世へいってもいいことはない、人間は生きてるうちに生き甲斐のあることをしなければならない。前紙屑買いの言葉が、へんに弥六の頭にひっかかっていた。