Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ゆずゆ

ゆず湯

岡本 綺堂

Lesen Sie ゆず湯 (ゆずゆ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.255 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、徳さんは寂しく笑った。「おふくろも丁度あんな人間ですから、みんな血を引いているんでしょうよ。」

それからだんだん話してみると、徳さんは妹のことをさのみ苦労にしてもいないらしかった。気のおかしくなるのは当たりまえだぐらいに思っているらしかった。ときどき大きな声などを出して呶鳴ったり騒いだりしても、近所に対して気の毒だとも思っていないらしかった。しかし徳さんが妹を可愛がっていることは私にもよく判った。かれは妹が可哀そうだから、自分もこの年まで独身でいると言った。その代りに少しは道楽もしましたと笑っていた。

これが縁になって、徳さんは私達とも口を利くようになった。途中で逢っても彼は丁寧に時候の挨拶などをした。わたしの家へ仕事に来てから半月ばかりも後のことであったろう、私が或る日の夕方銀座から帰ってくると、町内の酒屋の角で徳さんに逢った。徳さんも仕事の帰りであるらしく、印半※をきて手には薄のひと束を持っていた。十月の日はめっきり詰まって、酒屋の軒ランプはもう火がはいっていた。徳さんの持っている薄の穂が夕闇のなかにほの白くみえた。

「今夜は十三夜ですか。