Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

よろこびのあいさつ

よろこびの挨拶

宮本 百合子

Lesen Sie よろこびの挨拶 (よろこびのあいさつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.923 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、今度は細君が、一つの戸棚のようなドアをあけて、流し元を見せてくれました。一つの窓もない箱の中に、昼間の電燈がキラキラして、手をのばせば、万端の用事が済むように出来ています。何と能率的でしょう。でもまた、何と薬局めいているでしょう。ベッドにしても、それが開いて下りて来ると殆ど室一杯になって、本を読むせきもないようです。

丁寧に感謝して去りましたが、私の心にはその時から深い疑問が残されました。「人間の家族が、ほんとに人間らしく暮すには、どれだけの空間がいるものだろうか」と。

こういう空間の能率化は、何から考えられて来たのでしょう。人間の人間らしさを求めてのことでしょうか。決してそうではなさそうです。地代は平面で算出されます。其故、上へ上へと積上げた空間のそのまた平面を、最少限の面積で、最大限の能率に活かすアパートメント経営者の、才覚にほかなりません。そういう人間用の巣箱を「わが家」と呼んで、近代社会の何千万人が、せせこましい、律気な、名のない大衆としての生活を送っているのです。

日本の家――ヨーロッパ人が木と紙の住居と言って驚く日本の、弱い、こまかい、自然に対してそう無防禦な家々は、一つ一つと切りはなされ、乏しい一つ一つの「かまど」