Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうそくとかいがら
ろうそくと貝がら
小川 未明
Lesen Sie ろうそくと貝がら (ろうそくとかいがら) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.502 Zeichen · 5 Bildschirme
そんなことを考えないほうがいいよ。」と、母親は答えました。
「だって、帰っておいでなさるかもしれないわ。わたしは、お父さんが見当のつくように、ろうそくの火を点してあげるわ。」と、娘はいって、窓ぎわに幾本となく、ろうそくに火をつけてならべました。
なにしろ風が強いので、ろうそくの火は幾たびとなく消されました。けれど、娘は消えると、点け、消えると点けして、沖から、遠く陸に燈火が見えるようにと、熱心にろうそくの火を点していたのであります。
娘は、ついに家にありったけのろうそくを燃やしつくしてしまいました。もはや、このうえは、遠く離れた町にまでいって買ってこなければ、点けるろうそくはなかったのであります。
「おまえの志は、よくお父さんにとどいたと思います。もうろうそくがなくなったから、さあ休みましょう。」と、母親はいいました。
夜も、いつしか更けていました。娘もしかたがないと考えて、二人は戸を閉めて床に入ろうとしました。
そのとき、だれか戸をたたくようなけはいがしました。
「だれかきたようだ。」と、母親はいいました。
「ほんとうに、だれか戸をたたくようですね。いま時分だれだろう。