Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
と口軽に言った〆団治の言葉が想いだされて、機械で走る自動車と違って、人力車はからだ全体でひかねばならぬ――と、祖父の苦労を想ってにわかに心が曇った。
そんな君枝の心は、しかし他吉は与り知らず、七月九日の生国魂(いくたま)神社の夏祭には、天婦羅屋の種吉といっしょに、お渡御(わたり)の人足に雇われて行くのである。
重い鎧を着ると、三十銭上りの二円五十銭の日当だ。
「お祖父ちゃん、もう今年は良え加減に、鎧みたいなもん着るのん止めときなはれ。うち拝むさかい、あんな暑くるしいもん着んといて……」
君枝は半泣きで止めるのだったが、他吉はきかず、
「阿呆らしい、ひとを年寄り扱いにしくさって……。去年着られたもんが、今年着られんことがあるかい。暑い言うたかて、大阪の夏はお前マニラの冬や」
「そんなこと言うたかて、歳は歳や。羅宇しかえ屋のおっさんかて、こないだ流してる最中にひっくりかえりはったやないか。お祖父(じ)やんにもしものことあったら、どないすんのん?」
「げんのわるいこと言いな。あんな棺桶に半分足突っ込んだおっさんと同じようにせんといて……。生国魂はんのお渡御(わたり)の中にはいるもんが、斃れたりするかいな、ちゃんと生国魂はんがついてくれたはる――ああ、今年もベンゲットの他あやんが来とるなあ言うて、守ってくれはるわいな