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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「なにッ? もういっぺん言ってみイ」

「ベンゲットの他あやん」の声が久し振りに出た。

「――わいがお前らの厄介にならん言うのを、そんな風にとってたんか、阿呆!」

雲行きが怪しくなったので、〆団治はあわてて、

「まあ、まあ」

と、仲にはいり、自分でも何を言っているか判らなかったが、とにかく喋りまくって、その場の空気を柔らげた。

「婚礼の晩にむつかしい顔してにらみ合うてる奴があるかい。さあ、笑い、こんな顔しイ」

〆団治が自分でニコニコした顔をつくって見せると、漸く他吉、次郎の順に固い表情がとれた。

〆団治に促されて他吉があとに随いて外へ出ると、月夜だった。

秋の冷え冷えした空気がしみじみと肌に触れた。

「他あやん、おまはんいったい幾つやねん?」

〆団治が言った。

「五や」

「六十五にもなって、若い者相手に喧嘩する奴があるかいな。しかし、また、なんぜお前はそう頑固にあの二人の厄介になるのを断るねん。君ちゃんかて今孝行せなする時がない思て、やきもきしてるにきまってるぜ」

「孝行してもらうために、育てて来たんとちがう」

他吉はぼそんと言った。

「なるほど、お前が厄介になって、君ちゃんに気兼ねさしたら、可哀想や言うわけやな」