Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「――それで、御家族は?」

と、訊いた。

なぜ、こんなことを訊くのかと、不審というより腹が立ち、

「お祖父さんと二人です」

「まあ、そうでっか。そら寂しおまんな。ほいでお祖父さんはいま何したはるんです?」

「俥ひきしてます」

君枝はむっとした表情をかくすのに苦労が要った。

「そうでっか? それはそれは……。御両親は早くなくなられはったんでっか?」

「はあ」

「ずっと以前にね? そうでっか。それはそれは……。そいで、お父さんは……?」

何をしていたのかと、御寮人は執拗かった。

「玉造で桶屋してましたけど、失敗してマニラへ行って、死にました」

君枝はしみじみした口調だったが、顔はそんなに執拗い御寮人へ怒っていた。

「――御認印を」

そこを出しなに、若い男の真赤な眼が、上眼を使ってこちらをみつめたように、君枝は思った。

あちこち消毒や勧誘にまわって、寺田町に帰って来ると、

「御苦労やった。どやった、質屋のぐあいは……?」

主任が言った。主任の顔は口髭を落して以来いつみても卵子のようにのっぺりしていた。

「……?……」

何故そんなことを言いだすのか、訳がわからなかった。

「息子が居たやろ?」