Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.869 Zeichen · 52 Bildschirme
「あんぽんたん奴! ああいう根性やさかい、ぼやぼやして怪我もするねや。」
と、他吉は報らせを聴いて言ったが、しかしもう怒った顔も見せられず、毎日病院を見舞った。
君枝はもちろん三等病室で寝泊りし、眠れぬ夜は六日も続いたが、二十日ばかり経つといくらか手がはなせるようになった。その代り、病院の払いに追われだした。貯金帳はすっかりおろし、保険会社からも借りた。売るものも売ったが、それでも足らず、頼りにする鶴富組の主人は△△沖の方へ出張していた。次郎をひいたトラックの運転手はよりによって夫の死後女手ひとつで子供を養っている四十女で、そうときけば見舞金も受け取れず、
「貴女が悪いのんとちがいま。うちの人がなんし水の中ばっかしで暮してはって、陸の上を歩くのが下手糞だしたさかい。」
と、笑って突きかえした。
恐縮して帰って行くその女運転手の後姿を見ながら、君枝はふと、自分も看病の合間に運送屋の手伝いをしてみようかと思った。河童路地の近くに便利屋というちっぽけな運送配達屋がある。引越し道具のほか、家具屋、表具屋、仏壇屋などから持ちこまれる品物の配達をしているのだが、近頃は手不足で折角の注文を断ることが多いときいていたので、君枝は早速掛け合ってみた。