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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.869 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、他吉はいきなり凄んで、

「お前らでは話が判らん。話の判るのを出せ。」

と「ベンゲットの他あやん」の姿勢になったが、途端にくらくらと目まいがして、ああ、こないしてる間にもベンゲット道路の上をタンクが通る、婿の新太郎の墓が、船に積んだら、どこまで行きゃァる、歯抜きの辰に二円かえしといてくれ、マニラはわいの町や、一つには、光り輝く日本国、マニラ国へとおもむいた、――他吉はあっと声も立てずに卒倒した。

医者はもう助からぬと言ったが、次郎と君枝の輸血が効いたのか、他吉はじりじりと生き延びた。そんなねばり強さはどこから来たのだろうか。

執拗に保って二月目のある日、〆団治が見舞いに来た。ところが、ついぞ着ぬ洋服を着たのは良いとして、〆団治はまだまだ冬だというのに、異様な半ズボンでぶるぶる震えていた。

「〆さん、頭のゼンマイ狂たんと違うか。」

君枝はさすがに看病疲れもなく、こんな訊き方をすると、〆団治は、

「さにあらず。実はやな、わいも△△興業の落語の慰問隊たらに加わって、南方へ行くことになってん。南は暑いときいたさかい、今からこの服装や。」

と、言い、「わいの落語も南なら受けるやろ。