Japanische Klassiker mit Furigana
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「インガ」
「インガ」
宮本 百合子
Lesen Sie 「インガ」 von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.443 Zeichen · 29 Bildschirme
元は、何でも話し一緒に笑いした彼が、まるであかの他人みたいな目つきで自分を見る。黙っている。その原因が、ここにあった。グラフィーラは泣きながら、ナースチャに訴えていたところであった。
「私はミーチャなしじゃ生きていかれないよ。……誰にやるもんか。ねえ、何のためにこの子までを不仕合わせにするんだろうねえ。あの女が私よりも綺麗なら綺麗でいい、いい女ならいい女でいいよ。だからって、どうしてワーリカが不仕合わせにならなけりゃならないんだ。私の怨みは忘れても、そればっかりは勘弁出来ない!」
ドミトリーに見つからないようにかくしておいた聖母像までもち出して、グラフィーラは拝もうとした。が結局こんな絵が何のたしになる!
「ひょっとしたら、これでミーチャは私に愛想をつかしたんじゃないだろうか? おがんでいるのを見たんじゃないだろうか。ああナースチャ! 私、どうしていいかわからないよ!」
そこへ、酔ったボルティーコフがよろけこんで騒動をおっぱじめたのであった。
グラフィーラは、涙を前かけでふいた。ボルティーコフ夫婦とお喋り女を追っぱらってやっと椅子へ坐り込んだドミトリーに、彼女はおずおず訊いた。