Japanische Klassiker mit Furigana
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インチキあゆ
インチキ鮎
北大路 魯山人
Lesen Sie インチキ鮎 (インチキあゆ) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.050 Zeichen · 5 Bildschirme
もちろん駅々では水を替えさせたが、想い起こしてみると、ずいぶんえらい手間をかけて東京に運んできたものである。たかだか二十五、六年前のことだが。
しかし、いずれにしても、あゆをそういう工夫によって長く生かしておくわけにはゆかない。本当の生簀でもあゆを入れておくと、どうしても二割ぐらいは落ちるものが出てくる。これとても食えないことはないが、味がまずい。単にまずいばかりでなく、第一塩焼きにしても艶がなく、見た目にも生き生きしていないから料理にならない。そこで料理屋はこれにタレをつけて照り焼きに仕上げるのである。まさかこればかりを客に出すわけにもいかないから、活あゆの塩焼きといっしょにして「源平焼きでございます」などといって出す。それを知らないで、中には自分の方から源平焼きをくれなどと注文して料理屋を喜ばす半可通もないではなかった。
半可通といえば、東京にはもっとひどい話があった。なんでも大正八、九年の好況時代のことだ。日本橋手前のある横丁に、大あゆで売り出した春日という割烹店があった。これは多分に政策的な考えからやっていたことであるらしい。ところが、このあゆが非常に評判になった。