Japanische Klassiker mit Furigana
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オカアサン
オカアサン
佐藤 春夫
Lesen Sie オカアサン von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.831 Zeichen · 20 Bildschirme
(――彼女、わたしの妻には子供がなかったのです。時々それをさびしがるようなことを言うことがあります)
要するにロオラのきれぎれな言葉はわたしには一つの家庭を思わせたし、わたしの妻には子供たちの生活を思わせたのです。
きげんのいいロオラが、大きな籠の中をグロテスクな足と嘴とで這いまわり、籠の天井にぶらさがったまま、
「ワタシ、オトナシクマッテルワヨ」
そうやさしい女の子の声で言い出した時には、不釣合な様子と言葉とがわたしを笑わせました。
わたしはロオラを愛して、いつも、懐くようにと思って、自分でものをくれてやるのです。ビスケットだの、林檎だの、バナナだの、甘納豆だのをロオラは好みます。そういうものをくれてやっているうちに、わたしはロオラの癖を一つ新らしく発見したのです。ロオラはわたしが手にまだものを持っているうちは、たとい彼女に与えてもそれを食べようとはせずに投げてしまって、わたしの持っている分を新らしく要求するのです。そうしてわたしが最後に与えたのをたべてしまうと、今度は自分がさっき捨てたのを籠の底へ下りて拾って来てやっとそれを食べ始めるのです。――わたしは考えるのですが、ロオラは貰ったものをまだ食べきらないうちから次のものをくれようとする飼主を持っていたのです。