Japanische Klassiker mit Furigana
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オフェリヤごろし
オフェリヤ殺し
小栗 虫太郎
Lesen Sie オフェリヤ殺し (オフェリヤごろし) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.366 Zeichen · 58 Bildschirme
然し、法王アレキサンドル六世はカテリナ・リアリオから、毒を含んだ手紙を送られたとか云いますが、まさにそれを読んだとて、死にはしなかったでしょう。だがこの手紙には、予告している殺人にも優る、効果があるのです」
と風間の狂熱に魅せられたかの如く、法水は瞬きもせず云い続けた。
「ねえそうでしょう。真理は憎悪を生むと云います。そして、虚無と死とは、その強い衝動から一歩も離れ去る事が出来ないものなんです」
その紙片には、彼女にとって一番懐かしい人の手が、以前につけた跡をとどめている。幡江はさながら、屍体でも覆うかのように、その紙片を二つに折って見まいとした。
が、その堪え難い苦痛を、どうしても取り去る事が出来ないように思われて来るといきなり癲癇のような顫えが襲い掛かって来た。
「ねえお父さん、貴方は私を戦かしている、恐怖の事などは考えられないのでしょう。ああ、いつまでも、あの意地悪い幻にとりつかれているのでしょうか。いまも貴方のお声が――あの圧しつけるような響が、まざまざと耳に入って参ります。でも私だけには、見ない振りをして、通り過ぎて下さるでしょうね。お父さん、あの最後の夜、貴方は私達を前にして、斯う云う言葉を仰言いましたわね。