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Japanische Klassiker mit Furigana

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オンチ

オンチ

夢野 久作

Lesen Sie オンチ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.673 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうしたんかいじゃねえ。彼奴の手に渡ると十二万円が赤の地下運動の軍資金になっちまうぜ」

「ウン。それあそうたい」

「腕を貸してくれるな……君は……」

「ウン。間違いのない話ちう事がわかったら貸さん事もない」

「そんなら耳を貸せ」

三好は又野の耳に口を当てて囁いた。

「その犯人が今ここに来る」

「エッ……」

「見ろ……今事務室の方からテニスの道具を持った連中が五人来るだろう。あの中に犯人が居ると俺は思うんだ。いつでもここでテニスを遣りよる連中だ。ここで何度も何度もテニスを遣って、ドンナ大きな声を出しても、ほかに聞こえない事をチャンと知っている奴が、思い付いた事に違えねえじゃねえか。見てろ……俺の云う事が当るか当らねえか……」

「サア……」

そう云う又野の表情が、いくらか緊張から解放されかけた。三好の推測が、すこし当推量に過ぎるのを笑うつもりらしかった……が……その笑いかけた顔が間もなく、前よりもズッと青白く緊張して来た。審判席の草叢の中から、コスモスの花の中へジリジリと後退りをし初めたが、その肩に手をかけて、又野と同じ方向を見ていた三好も、すこし慌て気味で中腰になった。