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Japanische Klassiker mit Furigana

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カインのまつえい

カインの末裔 クララの出家

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

マッカリヌプリは毎日紫色に暖かく霞んだ。林の中の雪の叢消えの間には福寿草の茎が先ず緑をつけた。つぐみとしじゅうからとが枯枝をわたってしめやかなささ啼きを伝えはじめた。腐るべきものは木の葉といわず小屋といわず存分に腐っていた。

仁右衛門は眼路のかぎりに見える小作小屋の幾軒かを眺めやって糞でも喰えと思った。未来の夢がはっきりと頭に浮んだ。三年経った後には彼れは農場一の大小作だった。五年の後には小さいながら一箇の独立した農民だった。十年目にはかなり広い農場を譲り受けていた。その時彼れは三十七だった。帽子を被って二重マントを着た、護謨長靴ばきの彼れの姿が、自分ながら小恥しいように想像された。

とうとう播種時が来た。山火事で焼けた熊笹の葉が真黒にこげて奇跡の護符のように何所からともなく降って来る播種時が来た。畑の上は急に活気だった。市街地にも種物商や肥料商が入込んで、たった一軒の曖昧屋からは夜ごとに三味線の遠音が響くようになった。

仁右衛門は逞しい馬に、磨ぎすましたプラオをつけて、畑におりたった。耡き起される土壌は適度の湿気をもって、裏返るにつれてむせるような土の香を送った。