Japanische Klassiker mit Furigana
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カンカンむしさつじんじけん
カンカン虫殺人事件
大阪 圭吉
Lesen Sie カンカン虫殺人事件 (カンカンむしさつじんじけん) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.237 Zeichen · 21 Bildschirme
その説明は、山田源之助と一緒に殺された原田喜三郎の屍体が、今朝発見されるまでの行程を一通り説明すれば、それで充分なんだ。つまり、あの鉄工場の裏で突き殺された二つの屍体は、此処まで運ばれ、重を附けられて海中へ投げ込まれる。丁度二号船渠の扉船の直ぐ側だ。それから四日経て昨日の晩だ。修繕の終った天祥丸は、K造船工場に暇乞いをして芝浦へ急行しなければならない。そこで出渠の作業が始まる。第二号乾船渠の扉門の注水孔は、バルブを開いて、恐しい勢で海水を船渠の中へ吸い込み始める。すると渠門の近くの海中へ重を着けられて沈められ、綱の長さでコンブ見たいにふわりふわりしていた屍体はどうなる? 何んの事はない面喰った魚と同じ事だよ。直径二尺五寸の鉄の穴に、傷だらけになりながら恐しい力で吸い込まれ、コンクリートの渠底へ叩き付けられるんだ。丁度その日天祥丸のセーラーが、誤ってぶちまけたと言う機械油の上を、惰性の力で押し流される。軈て船渠が満水になると、渠門は開かれて天祥丸は小蒸汽で曳き出される。浮力の加減で船底にハリツイていた喜三郎の屍体は、その儘連れ出されて外海へ漂流する訳だ。