Japanische Klassiker mit Furigana
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ガラスまどのこうほね
ガラス窓の河骨
小川 未明
Lesen Sie ガラス窓の河骨 (ガラスまどのこうほね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.383 Zeichen · 7 Bildschirme
けれど、たいてい、この花屋の前へ立つ人は、ほかの紅や、青や、白や、紫の切り花に目をとめて、水の中に、つつましやかに咲いている自分を注意してくれる人はありませんでした。
いつも、子供をおぶって、子守うたをうたいながら、店さきにやってくるおばあさんがありましたが、河骨を見ても、べつになんとも感じないようでした。おばあさんは、街の中で生まれた人で、このいなかの草を見ても、なつかしいとは思わなかったのでありましょう。
ある日の晩方のこと、そこに、黒い、短い洋服を着て、赤いえりを出した、二人の娘が立って、ガラス窓の内側をのぞいていました。乗合自動車の女車掌でありました。
「あなた、あの黄色い花の名を知ってる?」と、一人がいいました。
「水草ですわね。なんて、やさしい花でしょう。私、名まえは知らないけど。」
河骨は、二人の娘さんが、自分のことをいっていると思うと、なんとなく、はずかしく思いました。
「もし、この、まつ毛の長い美しい娘さんが、自分を買って、どこかへ連れていってくださったら、自分は、どんなにしあわせだかしれない。きっと毎日のように、娘さんは、清らかな水をいれて、風通しのいい、また、太陽のあたるところへ出してくださるだろう……。