Japanische Klassiker mit Furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lesen Sie ガラマサどん von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.079 Zeichen · 202 Bildschirme
松本君は社長の鞄を持って先に立つ。私は後から護衛という形だ。廊下で行き会う連中は私達にまで頭を下げる。
「栗栖君」
と社長は販売課長の栗栖さんに会釈を賜わった。
「お早うございます」
「何うした?」
「目を少し悪くしまして」
と栗栖さんは青い眼鏡をかけていた。
「それはいけないね」
「真の一寸でございます」
「大切にし給え」
「有難うございます」
「君でも色眼鏡をかける必要があるのかね」
「恐れ入りました」
「ハッハヽヽ」
と社長は上機嫌だった。
「失礼致します」
と栗栖さんは頭を掻いて逃げて行った。
「何うだね? 松本君。今の警句は」
と社長は部屋へ入ると直ぐに訊いた。
「寸鉄でございました」
と松本君も警句と断って貰えばまごつかない。
「あの男は皮肉な男だ」
「はあ」
「唯さえ色眼鏡をかけて物を見る」
「はあ」
「そこで君でも色眼鏡の必要があるかねとやったのさ」
と社長は御丁寧に説明を加えた。松本君は余程頭が悪いと思われている。
「ハッハヽヽ」
と松本君がお相伴に笑ったので、私もそのお相伴をした。
「熊野君」
「はあ」
「高顴広額の章は何うなったね?」
「大体纒まりました」
「後から目を通させて貰おう」