Japanische Klassiker mit Furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lesen Sie ガラマサどん von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.079 Zeichen · 202 Bildschirme
「我輩は蝦蟇の主を見たことがある。蝦蟇の主と言っても分るまいが、我輩の家の池に素晴らしく大きな蝦蟇が一疋いる」
「はゝあ」
「手足を拡げると一尺に近い。あれは君達に見せたいものだ。去年引移ると間もなく、運転手の杉原が見つけ出したんだ」
「鳴きますか?」
「うむ。唸る」
「それじゃあれですな。この間の晩、編纂室でお待ちしている時聞えました」
「冗談言っちゃいけない」
「はあ?」
「あれは我輩が稽古をしていたんだ」
「はゝあ」
「ハッハヽヽ」
と松本君が笑い出した。
「いや。確かに社長のお声じゃございませんでした」
と私は執成しに努めた。
「いつだったい?」
「二三日前の晩でした。雨が降っていました」
「それじゃ矢っ張りガマどんかも知れない。彼奴は顔まで我輩に似ているんだから」
「…………」
「杉原の奴、あれを見つけて注進に来た時、笑ったの何のって」
「ハッハヽヽ」
「ガマどんという名をつけた」
「…………」
「そのガマどんの話だがね。近所の評判によると、あれはあの池の主で、あすこに五十年からいるそうだ。あゝいうものは何年生きるか知らないが、大きさから察しても余程の御老体らしい。しかし矍鑠たるものだ。