Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.767 Zeichen · 54 Bildschirme
火を焚きつけて朝のご飯をしかけると、眠っている四人の眼を覚まさないように、手早く、しずかに部屋の中を掃除する。まるで自分の心の中のように部屋を掃く。どんな隅でも掃き落とさない。
四時半には、小屋の中がさっぱりとなっている。掃除がすむと、鉱山でつかう道具をそろえて、すぐ出かけられるようにしておく。五時には台所の食卓の上で、味噌汁とご飯が湯気をあげて山へ行く四人を待っている。五時になると、四人がいっせいに起き出す。朝飯を喰べている間にサッサと寝床を片づけ、寝袋をよくたたいて戸外へ乾す。四人が出かけてゆくと、分析台の掃除にとりかかり、それがすむと洗濯をしたり繕いものをしたりする。十時になると、そろそろ昼の支度にとりかからなくてはならない。ご飯がたきあがると、せっせとお弁当をつくり始める。おむすびにしたり、海苔巻きにしたり、幕の内にしたり、いろいろである。
お弁当ができあがると、番茶の薬鑵をさげて、小屋のうしろの崖の上へあがってゆき、矢車草のなかに坐って谷底の合図を待っている。河原にいる山下氏が崖の上へ片手をあげる。これが、昼飯にしようという合図なのである。