Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.767 Zeichen · 54 Bildschirme
この四人の山の餓鬼は、いま最後の鉱山にむかって疾駆をつづけている。火のついたような期待と科学者の熱情が一分間も四人を休ませない。丹沢山塊の奥に眠っている金色をした不生物が、絶えずやさしげな声で四人を呼んでいる。……
キリストのような顔をした若い助教授は、こんなに委曲をつくしたのではなかった。が、四人のひどい憔悴の仕方を見ると、ごく簡単な説明だけで、この一年の辛苦が、どんなにひどいものだったか充分に想像できるのだった。
キャラコさんは、思わずため息をついた。
「たいへんだ」
黒江氏が、重厚な口調でいった。
「かくべつ、たいへんなどというようなことではないです」
「でも、それでは、あまり過激ですわ」
黒江氏は、ひどく咳き込みながら、
「過激というと?」
「休む時間もないというのは、あまりひどすぎますわ」
「ほほう。……でも、われわれはそんなふうには感じていませんよ。つらいのは、この仕事の性質なんだから止むを得ません」
「でも、程度ってものがありますわ」
「われわれの仲間には、もっとつらいことをやっている連中だってありますよ。このくらいのことはとり立てていうほどのこともないでしょう」