Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme
イヴォンヌさんは、キャラコさんの顔色を敏感に見てとって、
「よかったわ」
と、うれしそうに手をたたいてから、急に真剣な顔になって、
「やるなら、あのひとに負けないで、ちょうだい」
と、正直なことをいう。イヴォンヌさんも、レエヌさんが嫌いなのである。
快遊船は、いま勝浦の沖を通っている。
八幡崎の灯台が、断崖の上でチョークのように白く光っている。
二人が上甲板へあがってゆくと、舷牆にすえつけた放出機のまわりに船長や客が船員が十四五人ばかり集まって競技をはじめている。いまアマンドさんが撃っているらしく、射撃台のところにまっ白な頭と桃色の首筋が見える。
ベットオさんが審判係。バアクレーさんが記録係で、記録板を鼻の先におっつけるようにして点数をマークしている。かますのように痩せた、このひどい近眼のひとは、ミシガン大学の有名な東洋地理学者である。
イヴォンヌさんが、遠くからにぎやかな声をあげて皆に挨拶をする。
レエヌさんが、いつもの例で、おや、見なれない娘だ、というふうに、不思議そうな眼差しで二人をながめてから、
「ああ、あなたたちだったのね。あまり遅いから、もう、快遊船にいらっしゃらないのだと思っていましたわ」