Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme
「たった一度でいいから、あたしにおあやまりなさい。あやまらないと、ここを動かさなくてよ」
「あやまるもんか!」
「あやまるまで、いつまでも待っているわ」
キャラコさんは、まじろぎもしなければ、ものもいわない。五尺ほど間隔をあけて、レエヌさんの顔を見つめたまま甲板に根が生えたようになってしまった。
けたたましいレエヌさんの叫び声をききつけて、何が起こったのかと思って、イヴォンヌさんやエステル夫人やベットオさんが、寝衣のままで甲板へ飛び出して来たが、人がちがったようなキャラコさんのきびしいようすにけおされて、そばへ寄ることもできない。船室の入口のところにかたまって手をたばねて傍観するほかはなかった。
それから、五分ほどしてから、アマンドさんが甲板へあがってきた。
ピエールさんからあらましのことを聞くと、大股にレエヌさんのそばまで歩いて行って、いつに変わらぬ寛容な声で、
「レエヌ、お前のほうが悪いのだからあやまりなさい。……キャラコさんは、たったひとことでいいといってるじゃないか」
レエヌさんは、踊りでも踊っているかと思われるような調子はずれなはげしい身振りで、地団駄を踏みながら、