Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.012 Zeichen · 48 Bildschirme
芳衛さんが、人がちがったような快活な声で、いった。
「そんなにも、あたしたちを知らなすぎるんだわ。すこし、説明してあげる必要がありそうね」
トクさんが、すぐ受けて、
「そうね、慰安のためにもね。……ともかく、おばさまをあんなふうにひとりで放って置いてはいけないわ。みんなで行って、何かお話でもしてあげましょうよ」
ピロちゃんが、元気よく立ちあがった。
「賛成だ。ボク、うまい話をしてやる」
五人が広間へ降りて行ってみると、森川夫人が、煖炉のそばの安楽椅子に沈み込んで、ひとりで泣いていた。
五人は、森川夫人を取り巻いて床の上へ坐った。
ピロちゃんが、のんきな声で、いった。
「おばさま、そんなにお泣きにならなくとも大丈夫ですよ。梓さんは、もうじき帰って来ます。なにしろ、キャラコさんがちゃんと引き受けたんだから。……おばさま、あなた、ちっともご存知ないんですよ。あたしたち、どんなに元気があるか!……子供のようにしか見えないのは、あなたのお勝手だとしてもね!」
七
踏みつける雪が、スキーの下でキュッキュッと鳴る。
雪の原のはるか向うに、栂の樹に吹きつけられた雪が団子のようにかたまりついて、大きな雪人形のような奇怪なようすで立っている、降ったばかりの雪の上に、シュプールが、一本、まっすぐにその方へつづいている。