Japanische Klassiker mit Furigana
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グースベリーのうれるころ
グースベリーの熟れる頃
宮本 百合子
Lesen Sie グースベリーの熟れる頃 (グースベリーのうれるころ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.041 Zeichen · 12 Bildschirme
仙二は丁寧にまたその輪をほぐした。
長い短かいのあるまんま花だけをそろえて、その元を細いしなしなの茎を持った花で結えた。
それを池から間もない所にある娘のうちの垣根にひっかけて仙二はにげる様にもとの草原に来てころがった。
昨日娘が池のふちを歩きながら、藻の花が欲しいと云って居るのを仙二はきいた。
「取ってやろうか」その時すぐ思ったけれ共大方はもう花弁を閉じてしまって居たので同じ取るんならあしたまだ花の目を覚したばっかりの処を取った方が好いと思って仙二は何となし胸のおどる様な気持でその晩は床に入ったのだった。
青い空とみどりの木の梢を見ながら娘が垣根に欲しがって居た花がひっかかって居るのを見つけたらきっと、
あらまあ――一寸お祖母様あの花が有る事よ
と云うに違いない。そうして背のびをしながら花をおろしてそれからどうするだろう。
仙二ははてしなくいろいろの事を思いつづけた。
しずかな中に思って居る事は仙二にこの上なく楽しいそして又それと同じ位悲しい事だった。
仙二は立ち上って娘の垣根の処に行った。
垣根に身をよせて中の様子をきき耳をたてて居た。
早く顔を洗って来るものだよ。