Japanische Klassiker mit Furigana
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ココナットのみ
ココナットの実
夢野 久作
Lesen Sie ココナットの実 (ココナットのみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.448 Zeichen · 35 Bildschirme
「……運命の神様……ラドウーラ様の前には……善も……悪も……御座いませぬ」
「ダカラサ。何でも構わないから教えて頂戴って云ってるじゃないの……あたしの運命を、お前の力で、死ぬほど恐ろしいところに導いてくれてもいいわ」
ここまで云って来ると妾は思わず羽根布団を蹴飛ばしてしまった。妾のステキな思い付きに感心してしまって、吾れ知らず身体を前に乗り出した。両手を打ち合わせて喜んだ。
「いいかい。ハラム。妾はまだハラハラするような怖い目に会った事が一度もないんだから、お前の力でゼヒトモそんな運命にブツカルようにラドウーラ様に願って頂戴……妾は自分で気が違うほど怖い眼だの、アブナッカシイ眼にだの会ってみたくて会ってみたくて仕様がないんだから」
「……ハイ……ハハッ……」
ハラムはやっと息詰まるような返事をした。
「その代りに御褒美には何でも上げるわ。妾はナンニモ持たないけど……妾のこの身体でよかったらソックリお前に上げるから、八ツ裂きにでも何でもしてチョウダイ」
ハラムはイヨイヨ肝を潰したらしかった。眼の玉を血のニジムほど剥き出した。唇をわななかして何か云おうとした。