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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

Lesen Sie ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.946 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ君江がビールを搬んできた。

「どうも済みません。今夜は御覧のとおりの大入で、うまく廻らないんですよ。まあどうでしょう。こんなに忙しいことは、このゴールデン・バットが出来て初めてのことなのよ」そういって君江は、白い指を顳にあてた。

「君たちのサービスが良すぎるせいだろう」と帆村は揶揄った。

「どうですか――」と、君江はビール壜をとりあげて、帆村の洋盃に白い泡を注ぎこんだ。

丁度そのとき、入口に置いた棕櫚の葉蔭から、一人の男がこっちを覗いたように思った。チラと見たばかりで誰とも最初は思い出せなかったが、そのうち君江のところへ来た初顔の女が、

「オーさんよ」

と小さい声で云ったのが聞えた。それで丘田医師が、このゴールデン・バットへ繰りこんで来たことに気がついた。

6

どうしたというものか、それからは毎晩のように帆村が私のところへやってきた。やってきては、毎晩はんこで押したように、私を誘ってゴールデン・バットへ出掛けた。

そんなことが、およそ一週間も続いたのちのことだった。その晩も帆村と私とは、ゴールデン・バットのボックスに身体を埋めていた。その日はいつもとは違い、カフェの中にはなんとなく変な空気が漂っていることに気がついたが、しかしその夜のうちに、あの愛慾の大殿堂ゴールデン・バットがピタリと大戸を閉じ