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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

Lesen Sie ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.946 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

と私に言った。

「えッ」

「ちょっと話があるのよオ」

私は顔が赭くなった。私の眼の前には、チェリーの真白なムチムチ肥えた露わな二の腕が、それ自身一つの生物のように蠢動していた。

「いいから、行ってこいよ」帆村は云った。

「じゃ、ちょっと――」

私は心臓をはずませて、席を立った。彼女の悩ましい体臭の影にぴったりとついて行くと、チェリーは楽手のいないピアノの側へつれていった。

「用て、なんだい」私は訊いた。

「解ってるでしょう――」そういうチェリーの顔には、何となく険悪な気がみなぎっているのを発見した。

「あんた、早く返さないと悪いわよ」

彼女は私の思いがけないことを云った。

「早く返せ。な、なにをだい?」

「白っぱくれるなんて、男らしくないわよ」

「なッなんだって?」

「こうなりゃハッキリ云ったげるわよ。――あんた先に丘田さんのところで、盗んでいったものがあるでしょう」

「なにを云うんだ」私は駭きと怒りとで思わず大声になった。

「ほら、やましいから、赤くなったじゃないの。悪いことは云わないから、これから直ぐ帰って、あの薬をあたしンところへ持っていらっしゃい。いいこと。あたしから丘田さんにうまく謝って置いてあげますからネ」