Japanische Klassiker mit Furigana
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シカゴのきじ
シカゴの雉子
中谷 宇吉郎
Lesen Sie シカゴの雉子 (シカゴのきじ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.610 Zeichen · 6 Bildschirme
今年のシカゴは、何十年ぶりとかの、雪の少ない年であった。おかげで芝生はもうすっかり緑の姿をとり戻し、新しい芝の芽が、春の光に生き生きと萌え出してきた。
天気の良い日が、毎日のようにつづく。この頃土曜や日曜の朝は、おそい朝食のあと、ぼんやりと食堂の窓から、朝の陽光に映えている芝生を眺めて、しばらくの時を過ごすことにしている。
芝生には、いろいろな小鳥や、野生の動物がやって来る。妻が時々パンの屑を芝生にまいてやるので、それを食べに来るのである。小鳥は、いろいろな種類が来るので、名前はとてもおぼえられない。けだものの方は、普通は木鼠であるが、昨日の朝などは、突然、野兎が一匹、ひょっくり顔を出して、小鳥たちの仲間に入って、パン屑を拾い出したのには、一寸驚いた。腹の方が白く、背中が褐色で、猫くらいの大きさの兎である。
こういう話をすると、よほど辺鄙なところと思われるかもしれないが、この辺のウィネツカという町は、シカゴとは町つづきで、東京でいったら、成城町くらいのところである。そういうところに、野生の兎がいたり、少し町はずれに出ると、林があって、雉子が、時々道路へ出て来て、自動車に轢かれることがあるそうである。