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Japanische Klassiker mit Furigana

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ジロリのおんな

ジロリの女

坂口 安吾

Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

然し、ジロリ型の女でも、手をつくして口説けばモノになるということが分ったのは私が大学を卒業する二十四の年、そのときから、私の人生が変った。

そのころの東京はまだ漫才というものが一般的なものでなく、寄席にかゝることも稀れで、浅草の片隅などでごく限られた定連相手に細々と興行していただけであった。私はそこの常連で、ついには楽屋へ遊びに行って漫才師と交驩するような、学生時代をそんなことで空費したのであるが、あるとき漫才屋さん方に時ならぬ欠勤続出して、舞台がもてなくなる騒ぎ、そのとき、楽屋へ一人の女漫才嬢が遊びに来合せていた。彼女は亭主の漫才屋さんと喧嘩別れして、目下相棒がなくて、楽屋へ油を売りに来ていたのだ。そこで私が、

「どうだい、アヤちゃん。あなたと私の即製コンビで、お手伝いをしようじゃないか」

「あんた、できる?」

「やってみなきゃア分らないやね。然し、なんとか、なるでしょう。お客さん方も幕を睨んでいるよりはマシだろう。まさか舞台へとび上ってヒッパタキにくることもなかろうさ」

というわけで、着物を拝借して、高座へ上った。なんとか呼吸も合い、私が浪花節を唸ったり、ヒッパタかれてノビてみせたり、ハデなもので、それから十日間ほど、やった。