Japanische Klassiker mit Furigana
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ジロリのおんな
ジロリの女
Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme
岩本は芸なし猿で、美代子に直談判して、大浦博士と衣子に関係があること、今度の縁談はていよく病院を乗取る魂胆だというようなことをきかせたものだ。美代子は内々そのフンイキを感じて怖れていたのだから、これを別の人の口からきかされたら話は別だが、それによって利益を得る当人が自ら言ってはブチコワシで、事の当否にかゝわらず、綺麗ずきの娘心が立腹するのは当然である。
あなたは卑怯者、脅迫者だと云って、美代子は即座に岩本に最後の言葉をたゝきつけた。
美代子の激昂はそれだけではおさまらず、衣子を面詰して、私のことをダシに使わず、お母様自身大浦博士と結婚したらいいでしょう、と罵った。まだそれでも、おさまらない。大浦博士を同じように面詰した。つゞいて、大浦種則を面詰した。
そのとき、種則が、まごゝろをあらわして罪を謝し、
「然し、美代子さん、僕はあなたのお母さんと僕の兄とのことなどは毛頭知らなかったのです。まして僕には、富田病院を乗取るなどゝいう魂胆のあるべきものではありません。なるほど、この縁談は兄のはじめたことですが、今となっては、あなたは僕にとって、なくてはならぬ御方です。