Japanische Klassiker mit Furigana
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ジロリのおんな
ジロリの女
Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme
そして、その手を放さずに、
「まったく、わけが分りゃしませんよ。今朝目がさめて、あなたにひとつ、胸のうちを打ちあけてと思うと、たゞなんとなく、ふッと、こんなことをしてみたい気持になった始末なのですから。われながら、バカらしい次第です」
まったく、その通りでもあったのである。然し、私は尋常では、どうせダメだと思ったから、ふと、こんなことをやる気になった。別に確たる計算はない。蛇がでるか、何がでるか知らないが、とにかくキッカケをつくって、そこから後はその場次第に、出たとこ勝負、当って砕けるというタテマエの仕事なのである。そして、それには、なまじいに、心理の筋道を考え、計算をとゝのえてやるよりも、いっそデタラメなバカゲきったことをやらかして、偶然に賭ける方がたのしみだと思っただけだ。
この賭けは思いのほかに成功したらしい。なぜなら、ヤス子は私に手を握られて、ボンヤリしているからである。世の中のことは分らぬものだ。後日、ヤス子は私に言ったが、このときは、バカらしくなったのだそうだ。要するに、それだけであったが、なんだか、感動したということだ。
私は、このバカバカしい成功を、信じていゝか、迷ったほどだ。