Japanische Klassiker mit Furigana
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スモーリヌイにひるがえるあかはた
スモーリヌイに翻る赤旗
宮本 百合子
Lesen Sie スモーリヌイに翻る赤旗 (スモーリヌイにひるがえるあかはた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.354 Zeichen · 51 Bildschirme
「私は作家だ」「ふーむ。作家も仕事をもってる」それから丁寧に鉛筆の削り屑を机の下の紙くず籠へすてて「……リベディンスキーの『一週間』というのは日本に知られてるだろうかな?」といった男だ。
――あんたがた、レーニンの室見せて貰いましたかね。
不意にムイロフが訊ねた。
――いいえ。
彼の室へ来ると、
――一寸かけて待っててくれ。
書類入鞄を机の上へほっぽり出して、いそぎ足に出て行った。
――見られるんだろうか、レーニンの室って。
――さあ、いいな、もしそういう工合になれば。
じき、帰って来たムイロフが、開いた戸から首をつっこんで二人の日本女を呼んだ。
――出かけましょう!
手に鍵束を下げたムイロフについてまた廊下へ出た。
少し行って、廊下を左に曲る、日本女が足のはずみでその前を通りすぎそうにしたごくあたり前の或る木の扉のところでとまった。鍵がうまく合わない。プリントをもって後を通りすがった男が、
――開かないのか?
――うん、ミーシャが今いないんだ。
その廊下のもう一方の側にもずらりと同じような室が並んでいる。
戸が開いた。
が、日本女はいそがず、見るものはみんな覚えておこうとするような顔つきをして室へ入った。